老人ホームが高い理由
有料老人ホームと聞いて思い浮かぶのは「高くて遠い」ということではないでしょうか。入居一時金は数千万円以上かかるところも多いですし、月額利用料も20万円以上かかるとなると、年金だけで生活している方にとっては、なかなか手の出せる施設ではありません。
こんなにも高い理由の一つは、土地や建物、人件費といったコストも多大に必要なことに加えて、入居率や退去率、要介護度による負担などの予想が難しく、利益を確保し事業を継続するためには、利用者の負担を重くせざるをえないという事情があるのです。
このような事情があるにせよ、明らかに割高としか思えないホームもあるため、質をよく吟味し、良いホームかどうかを判定する目を持つ必要があります。
遠くても安いホームに入るべきか
上記の理由から、土地の値段が高い東京23区内の老人ホームは、どうしても狭くて高いホームになりがちです。なので、「老後は静かにのんびり」と人里離れた郊外にあるホームを検討する人もいることでしょう。
もともと、その地域に住んでいた人ならば問題ありませんが、「往復するだけで1日かかるような遠いホームを頻繁に訪れる家族はいない」という結果が出ています。
老人ホームの文化が円熟しているアメリカでは、入居者の約８割は、もともとホームから８km圏内に住んでいた方なのだそうです。車で15分もあれば着く距離なので、ご家族もしょっちゅう訪ねることができます。
アメリカでは、優良企業を誘致するために老人ホームを建設するという自治体もあるほどで、人間は最期まで地元で暮らすのが当たり前という文化が根付いているのです。
