老人ホームを選ぶ際、費用の仕組みのチェックは重要ですが、わかりずらいのであまり深く考えずに決めてしまうケースも多いことと思います。
老人ホームの料金体系は、はじめの「入居一時金」と月々の「月額利用料」がかかります。
入居一時金は、入居時に一括して払う前家賃のことで、月額利用料は、毎月かかる費用(食費、維持管理費、人件費、光熱費等)のことです。
入居一時金の内訳は初期償却金とそれ以外に分かれ、初期償却金を差し引いた残額に対して、一定期間内での退去の場合に返還される金額があります。償却期間は、施設により様々な長さです。
初期償却率と償却期間
通常、入居した時点で、焼却される入居一時金の15~30%を初期償却といいます。
また、入居期間に応じて返還される金額がありますが、その返還される期間が償却期間です。
要介護状態で入居 | 自立状態で入居 | |
初期償却率 | 30%以内ならOK | 15%以内ならOK |
償却期間 | 5~7年ならOK | 10年以上ならOK |
償却期間
自立用施設では8~15年が一般的ですが、長い期間だと20年と定めている所もあります。
要介護状態の入居の場合は、5年と定めている所が多く、償却期間以内であれば入居期間での償却分を差し引き、残額が返還される仕組みです。
入居一時金が小額の施設では、入居時などに全額償却されてしまう場合も多いため、その場合には返還される金額はありません。このように、入居一時金の額によっても初期償却率や償却期間は変わって来るので、一概には判断できませんが、契約の際には十分注意が必要です。
クーリングオフ
クーリングオフ(短期解約特例)とは、入居後どうしても納得いかないような場合に、「90日以内であれば契約を解除できる」制度のことです。
入居一時金も、滞在日数分の家賃や食費等は戻ってきませんが、ほぼ全額戻ると考えていいでしょう。
クーリングオフについて明記していない業者も中にはいるので、必ず事前に確認することが大事です。